アプリ開発の費用はどの程度?簡単に目安を計算する方法を紹介
2021.4.24
「アプリ開発を外注したいけれど、費用相場が分かりにくい」という方は多いのではないでしょうか。実際のところ、アプリ開発はどのような機能をつけるか、どこに依頼するかによって価格に大きな幅があり、目安が分かりにくくなっています。
この記事では、アプリ開発費用を見積もる上で考慮すべき工程を紹介し、それぞれのポイントでいくらくらいかかるのかを紹介します。合算すれば開発費用の目安が簡単に分かりますので、ぜひ参考にしてください。
目次
アプリ開発費用の目安
アプリ開発の費用は、アプリの目的や系統によって異なります。決済サービスが必要なECアプリなのか、単に商品を紹介するカタログ系のアプリなのかなど、目的や系統が異なれば必要とする要素が異なり、費用総額も異なります。おおよその目安は以下の通りです。
アプリの目的・系統 | アプリ開発費用(開発後費用は含まず) |
EC | 100~1,700万円 |
カタログ | 50~100万円 |
SNS・通話 | 100~1,150万円 |
ツール | 50~300万円 |
ゲーム | 300~1,000万円 |
ECアプリ
EC用のアプリは、商品数や商品ごとの説明の多さ、写真をどの程度撮影するか、決済システムの種類の多さなどによって値段が異なります。商品数や写真、決済方法の種類などは多ければ多いほど費用がかさみますが、アプリを利用するユーザーにアピールするのも事実です。
例えば、あなたの会社のアプリでは決済方法が少なく、ユーザーが利用したい手段では購入できないとしましょう。あなたの会社のオリジナル商品でない限り、ユーザーは他のアプリやサイトに流れてしまうことにもなりかねません。閲覧してくれたユーザーを逃さないためにも、費用はかかっても、ある程度は決済の種類を揃えておくようにしましょう。
カタログアプリ
商品を紹介するだけのカタログアプリは、カート機能や決済機能は不要です。その分、アプリ開発費用は安くなりますが、商品が多いときや新たに写真を撮影するときには高くなることがあります。
SNS・通話アプリ
SNSや通話のシステムを新たに開発する場合は、費用は高額になります。既存のシステムを利用してアプリを作成する場合は開発費を低く抑えられるので、本当に新たなシステムが必要なのか一度検討してみることができるでしょう。
また、アプリを利用する際にユーザーはログインしますが、ログインシステムも新たに開発する場合は高額になります。費用を抑えたい場合は、SNSなどを用いた既存のログインシステムの利用も検討してみましょう。
ツール系アプリ
自社サイトで使うツールなどのアプリは、基本的にはログインや決済を伴わないため、セキュリティ対策も特に厳重にする必要がなく、開発費も安くなります。独自ツールではなく他社ツールと連携しているときは、さらに割安にアプリを開発できるでしょう。
ゲームアプリ
アプリ内で課金がある場合は、決済やログインなどのシステムが必要になるため、セキュリティ対策も万全にすることが求められます。そのため、課金ありのゲームアプリは費用が高額になるでしょう。
また、ゲームの解像度や動きのスムーズさによっては、天井知らずに高額になります。価格と求める品質のバランスを考えてから、依頼するようにしましょう。
アプリ開発の費用を決める要素
アプリ開発には、金属や半導体といった目に見える材料などは不要です。そのため、開発費のほとんどは人件費でできていると考えられるでしょう。
一般的に、アプリ開発は「人月」という単位で作業量を計算します。例えば2人に依頼して3か月かかる作業料ならば6人月とカウントします。1人あたりの月々の報酬を50万円(1人月=50万円)とすれば、50万円×6=300万円かかると計算できます。
開発にかかる工数
アプリ開発の工数が多いと、作業する人や完成までの期間が増えます。例えば、App StoreやGoogle Playなどからダウンロードできる「ネイティブアプリ」は、デバイスごとに開発環境を変える必要があります。そのため、Webにアクセスするだけで利用できる「Webアプリ」と比べると工数が多くなり、開発費も高くなります。
開発したアプリの配布にかかるアカウント登録料
利用するOSごとにアカウント登録料がかかるという点にも注意が必要です。例えばApp Storeで配布する場合は、「Apple Developer Program」の料金として年間99米ドルが毎年かかります。
一方、Google Playで配布する場合は「Google Play developer account」として最初に25米ドル払います。最初の一回のみ支払えば完了なので、何年にもわたって配布し続ける場合でもアカウント登録料は25米ドルのみです。
アプリ開発後の維持費
運用やアップデートなどにも費用はかかります。また、サーバーの登録料(レンタル料)もかかります。
いずれも月額あるいは年額で支払います。料金は、セキュリティやサポート内容によって異なりますが、通常30万円程度が相場です月額1,000円程度の安価な維持費のものもあれば、数万円かかるものもあり。
アプリ開発の費用が変動する主な要素
アプリ開発は工数が多いと費用が高額になりますが、工数の多さは要素の多さや複雑さによって左右されます。アプリ開発費用の目安を知るためにも、要素ごとの費用条件を理解しておきましょう。
アプリ開発費用の変動要因 | 費用が高くなる条件 |
対応OSの数 | 対応OSと対応バージョン数が増えると多ければ多いほど高額になる |
アプリログインの方法 | 独自のログインシステムを利用すると高額になる |
個人情報データの取得方法 | アプリ用に新規取得する場合は高額になる |
デザイン依頼の有無 | デザインも依頼する場合は高額になる |
他社ツールの利用有無 | 他社ツールを搭載すると高額になる |
決済サービスの有無 | アプリ用に決済サービスを開発すると高額になる決済の種類が多いときも高額になる |
対応OSの数
対応するOSが多いと費用が高くなります。例えば、AndroidだけでなくiOSにも対応する場合は、単純計算で費用が倍になります。Androidで150万円と見積もられた場合には、iOSにも対応するならば300万円かかることになります。最新OSだけでなく旧OSにも対応する場合は、さらに費用が高額になります。
アプリログインの方法
TwitterやLINEなどのIDを利用してログインするか、独自にメールアドレスやパスワードを入力してログインするかで費用が変わります。ユーザーに独自にIDやパスワードを入力してもらう場合は、セキュリティシステムを新たに構築しなくてはいけないので、ログインシステムを構築するだけでも20~40万円程度かかります。一方、既存のIDとパスワードを利用してログインする場合は、10~20万円程度でログインシステムを構築できます。
個人情報データの取得方法
個人情報を扱うアプリの場合、どのように個人情報を取得するかによっても開発費用が変わります。他の自社サービスで取得した個人情報を利用する場合は、個人情報を組み込むシステムの作成に10~20万円ほどかかります。一方、アプリ用に個人情報を新規取得する場合は、高度なセキュリティシステムを構築する必要があるため50~70万円ほどかかります。
デザイン依頼の有無
アプリのデザインを決めてから依頼すると、デザイン開発にかかる時間と費用を削減できます。一からデザインを作ってもらう場合はアプリごとに100万円ほどデザイン料がかかるので、コスト削減を目指すならばデザインを決めてから依頼しましょう。
ただし、デザインを決めて依頼する場合も、表示するデバイスのサイズごとに調整が必要になるため、デザイン依頼費として10~30万円ほどの費用を請求されることがあります。
他社ツールの利用有無
Google MapやFacebookなどの他社ツールと連携させる場合は、連携するための工数が必要となります。Google Mapやスマホのカメラ機能、音声機能ならば1ツールにつき10~20万円、SNSは1ツールにつき5万円ほどの費用が加算されかかります。
店舗を紹介するアプリなどには、ロケーションだけでなく交通手段や道案内も利用できるGoogle Mapとの連携は欠かせません。連携することでユーザーの利便性が向上するため、アプリの利便性と価値も向上します。
決済サービスの有無
他の自社サービスで利用している決済サービスをアプリでも利用する場合には、20万円ほどのコストがかかります。アプリ用に新たに決済サービスを構築する場合は、セキュリティ対策なども必要なため30~50万円ほどかかります。また、利用できる決済サービスの種類を多くすると、工数が増えてさらに高額になります。
開発費用を抑えるポイント
紹介してきました通り、アプリ開発費用はさまざまな要素で構成されているため、工夫をすれば開発費用を抑えることが可能です。開発費用を抑えるためのポイントを紹介するので、ぜひ参考にしてください。
既存システムの利用を検討する
ログインシステムや決済システムは、自社オリジナルよりも既存のシステムを利用するほうが費用を抑えられます。ただし、既存のシステムは割安だからといって導入数を増やしすぎると、コストがかかってしまいます。必要なものだけを選択するようにしましょう。
デザインを描いておく
デザイン料は高額なので、できれば自社で描いてから依頼するようにしたいものです。もちろん、デザインを描くことが難しい場合はプロに任せるようにしましょう。なお、業者によってセンスが異なるので、同じ費用でも仕上がりが大きく異なります。過去作品を閲覧し、開発したいアプリにふさわしいものを選びましょう。
いくつかの業者に見積もりを依頼する
アプリ開発を請け負う会社は少なくありません。面倒だからと一社だけに見積もりを依頼するのではなく、いくつかの業者に見積もりを依頼するようにしてください。なお、依頼する際には、具体的に搭載する機能を細かく決めておき、同じ条件で見積もってもらうようにしましょう。
アプリ開発を外注する前の注意点
アプリ開発を業者に依頼する前に、注意したいことをいくつか紹介します。いずれも費用を抑え、なおかつ希望通りのアプリを作成するために欠かせないポイントです。
機能と目的を明確にする
どんな機能を搭載したいか、また、どのようなサービスをアプリによって提供したいのかについて最初に明確にする必要があります。機能や目的があやふやな場合は、理想通りのアプリは完成しないでしょう。
ただし、依頼前に搭載する機能をすべて決めてしまうのではなく、業者からおすすめを受けて考慮することも大切です。思わぬ良い提案を受けて、より良いアプリが完成することもあります。
いくつかの業者から見積もりを取る
同じ内容を依頼しても、業者によって価格や完成までの時間は異なります。必ず複数の業者から見積もりを取るようにしましょう。
業者の見積もりを比較するときは、かならず含まれる内容についてもチェックしてください。価格が他社より安いのは、もしかしたら搭載機能が少ないだけなのかもしれません。
また、複数の業者から機能の提案を受けることで、より良いアプリが生まれやすくなります。見積もりを通して搭載すべき機能や仕様を決めたら、まったく同じ内容でもう一度複数社に見積もりを取ってみてください。同じ条件で見積もるので、さらに業者を比較しやすくなるでしょう。
価格だけで決めない
業者によって含まれる機能やデザイン性の高さなどが異なるため、価格だけで業者を決めてしまうのはおすすめできません。また、業者によって、開発後のメンテナンス費用も異なります。依頼する前に必ず問い合わせておきましょう。
見取り図を完成させてから依頼しよう
「アプリがあると良いな」程度の漠然とした気持ちでは、理想とするアプリを完成することはできません。アプリ開発費がかかるだけで、集客効果や売上向上などのメリットも得られないでしょう。
社内で何度も話し合い、どのような機能を搭載するのか、また、利用するシステムやデザインなどの見取り図を完成させてから依頼するようにしましょう。どのようなアプリが良いか分からないときは、競合社のアプリを調べ、どのような要素が必要か、どんな要素があればより良いかをチェックしてみてください。
弊社ではノーコードによるアプリの受託開発をさせて頂いておりますが、ノーコード開発による短期納期と低コストが実現できるほか、お客さまの企画や設計段階からサポートをさせて頂いております。
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