Webアプリ開発の外注前に知るべき基礎知識|費用・料金相場や開発の流れを解説!
2021.4.24
新しくWebアプリを作ることが決まった場合、次に「自社開発」か「外注」のどちらかを選ぶことになります。
自社開発の場合は、当該アプリを開発できるだけのノウハウや人的リソースが社内に必要です。一方で外注の場合は、そのようなリソースは不要のため発注費用を準備できればWebアプリを作れます。
しかし初めてWebアプリを外注する場合、どのような流れで開発が進み、どんなアプリでどれくらいの費用が必要になるのか分からず不安に思うことでしょう。
そこで本稿では、Webアプリ開発を外注する前に知っておくべき基礎知識をまとめました。外注前にぜひご覧ください。
目次
Webアプリ開発とは
Webアプリ開発とは、ソフトウェアのインストールを必要とせず、インターネット上で利用できるアプリケーションを開発することを意味します。
WebアプリはChrome・FireFox・Safariなどの一般的なWebブラウザ上で操作できるため、ネットワーク環境さえ整っていれば誰でも容易に利用できます。
なお、ネットワーク環境を必要とせずインストールするだけで利用できるアプリケーションのことを「ネイティブアプリ」と言います。
Webアプリ開発で作れるアプリ例
Webアプリの具体的なイメージがわかない人のために、Webアプリの例をご紹介します。
・ECサイト ・口コミサイト ・掲示板・Q&Aサイト ・SNS |
ECサイト
「Amazon」や「楽天」などで有名なECサイトもWebアプリです。
一言でECサイトの機能性を説明すると「インターネット上で商品の売買ができるWebサイト」ですが、この機能性を担保するためにはさまざなな技術が必要です。
例えば、個人情報を保護するためのセキュリティや選択した商品を決済まで保留しておく買い物カゴ、クレジットカードの決済機能などが挙げられます。
運営者の利益は、ECサイトを通して売れた「商品の売上」や「広告収入」などが一般的です。
口コミサイト
各企業の従業員(元従業員含む)が、勤務先企業の就労環境についての口コミを投稿する「OpenWork(旧Volkers)」というWebサイトがあります。このような口コミサイトもWebアプリです。
一見すると口コミサイトも簡単なWebサイトのように見えますが、ユーザーログイン機能や口コミの集計機能などさまざまな機能を備えていなければ成り立ちません。
特に利用者数が増えるとサーバーやデータベース周りの設計がきちんとしてなければ、トラブルが発生しやすいため注意が必要です。
運営者は広告収入によって利益を得ます。
掲示板・Q&Aサイト
「5ちゃんねる」や「発言小町」「Qiita」などの掲示板・Q&AサイトもWebアプリです。
こちらも口コミサイトと同様に、サーバーやデータベース周りの設計が特に重要なWebアプリです。実際、利用者数が一時的に増えすぎて「5ちゃんねるが開けない」というトラブルに遭遇したことがある人も多いでしょう。
なお、近年ではインターネット黎明期とは異なり、ユーザーの操作性やデザイン性次第で利用率が大きく増減するため、簡単な掲示板でもデザインにこだわっているところが多いです。
運営者は広告収入によって利益を得ます。
SNS
TwitterやFacebookなど、有名なSNSもWeb版のサービスはWebアプリです。
SNSには、ユーザー情報や個人情報の管理機能、投稿機能などが必要です。また、利用者が増えれば増えるほど強力なサーバーを用意しなければ簡単に利用できない状況に陥ってしまうため、インフラ環境も整える必要があります。
運営者は広告収入によって利益を得ます。
Webアプリ開発の費用・料金相場
Webアプリ開発にかかる費用の相場をご紹介します。
種類別の費用・相場
Webアプリの種類別に費用の相場をまとめました。
Webアプリの種類 | 費用・料金相場 |
ECサイト | 60~400万円 |
口コミサイト | 80~300万円 |
掲示板サイト | 50~300万円 |
SNS | 100~500万円 |
CMS | 80~400万円 |
予約管理サイト | 80~500万円 |
マッチングサイト | 100~500万円 |
ゲーム系 | 300~1,000万円 |
下限と上限に大きな金額差があることからもお分かりの通り、どんなWebアプリも仕様次第で必要な費用は小さくも大きくもなります。
したがって、外注する際はWebアプリの要件を漏れなく定義するように注意しましょう。開発が始まってから追加要件が発生してしまうと、金額がどんどん膨れ上がってしまいます。
機能別の費用・相場
Webアプリが持つ機能別の費用の相場をまとめました。
Webアプリの機能 | 料金・費用相場 |
ログイン機能(メールアドレス・SNS) | 10~20万円 |
アプリ内の決済システム | 20~50万円 |
プッシュ通知機能 | 10~100万円 |
ナビゲーション機能 | 2.5~5万円 |
縦/横の表示切り替え機能 | 5~10万円 |
位置情報機能 | 12~25万円 |
チャット・メッセージ機能 | 20~40万円 |
他アプリとの連携機能 | 5~40万円 |
デザインの実装 | 10~100万円 |
このように一口にWebアプリと言っても、それは上記のような細かい機能の集合体でしかありません。簡単そうな機能を一つ追加するだけでも数万~数十万円の費用が発生することを覚えておきましょう。
その他開発にかかる費用の例
これまでWebアプリの種類や機能ごとにかかる費用を紹介しました。しかしWebアプリの運用には、開発費以外にも以下のような費用が発生します。
項目 | 料金・費用相場 |
サーバー(開発中・開発後) | 月額1,000〜数万円 |
SSLサーバー証明書 | 5~10万円 |
運用保守 | 開発コストの15%(ランディングコスト) |
サーバーは、Webアプリを動かすために必要不可欠なものです。そのため個人ブログのような小さなWebアプリでもサーバーを用意する必要があります。
SSLサーバー証明書は、Webサーバーとブラウザ間で「通信データの暗号化」を行うための電子証明書です。これがあれば「なりすまし」や「盗聴」などのリスクを回避できます。
記載した費用に関する注意点
上述の費用は、あくまでも相場です。どのような仕様にするかで大きく金額が上下するため、詳細な見積もりは外注先に出してもらうことをおすすめします。
Webアプリ開発の流れ
Webアプリ開発は、企画立案からリリースまでを以下の流れで行います。
ステップ①:企画立案
まず、どのようなWebアプリを開発するか企画します。
・集客はどうするのか
・収益はどのように上げるのか
・どのようなユーザーが利用するのか
・競合他社との差別化はどのように図るのか
上記のような内容を企画書にして落とし込みます。
ステップ②:要件定義
社内で企画実行の決裁がおりたら、要件定義を進めます。
要件定義とは、Webアプリにどのような機能を持たせるのかを詳細に決めることです。この要件定義次第で開発スケジュールや見積もりが大きく変化するため、慎重に進める必要があります。
ステップ③:開発プラン作成
要件定義に従い、外注先は開発プランを作成します。
どのような順序でどのような機能を開発・リリースするのか開発プランを作成し、発注主と相談の上確定します。
ステップ④:見積もり・契約
開発プランを元に外注先は見積もり書を作成します。
見積もりと契約書に問題がなければ契約に合意し、開発をスタートします。
ステップ⑤:基本設計
要件定義で定めた内容を元に、Webアプリの基本となる部分の設計を行います。
簡易的なWebアプリのサンプルを作成して、Webアプリ全体の流れを確認しながら設計を進めていきます。
ステップ⑥:詳細設計
Webアプリが持つ各機能の細かい部分まで設計していきます。
例えば、ECサイトであれば「購入ボタンの色」や「商品の画像表示サイズ」などもこのタイミングで決定します。
定期的に外注先と確認しながら開発を進めていくため、定例会議などのコミュニケーション頻度が増えます。
ステップ⑦:開発(プログラミング)
要件定義、基本設計、詳細設計の内容を元に開発を進めます。ここでいう「開発」は、ソースコードを入力していくプログラミングのことです。
開発が完了した機能や画面から適宜外注先から確認の連絡が入ります。
ステップ⑧:テスト
Webアプリの開発が完了したら、正常に動作するかテストを行います。
「単体テスト」や「結合テスト」などテストの種類はさまざまで、ユーザーがどのような動作をしても正常にWebアプリが機能することを確かめます。
ステップ⑨:納品・公開(リリース)
テストが完了したら、Webアプリのソースコードの納品と公開(リリース)が行われます。
ステップ⑩:運用
Webアプリの公開後、必要に応じて修正作業や追加機能の実装などを行います。
Webアプリ開発の外注先を選ぶ際のポイント
Webアプリ開発を他社に外注する際の注意点を紹介します。
実績は十分か
「餅は餅屋」と言うように、今回依頼しようとしているアプリと似たようなアプリを開発した実績があるか確認しましょう。
ECサイトを作成するならECサイトの開発実績が豊富な会社、口コミサイトを作成するなら口コミサイトの開発実績が豊富な会社を選びましょう。
「会社の特徴」と「アプリの要件」はマッチしているか
会社によって特徴が大きく異なります。
toC向けのWebアプリ開発を外注しようとしているのに、toB向け(バックオフィス用)のWebアプリ開発が得意な会社に外注することがないように注意しましょう。
特にtoCとtoBでは、Webアプリ開発において重要な勘所が大きく異なります。toCはデザイン性が重要視されますが、toBではデザイン性よりも正確性や処理速度などが求められる傾向にあるからです。
下請けに丸投げしていないか
開発に関わる人(ステークホルダー)を必ず確認するようにしましょう。もし、下請けの開発会社に丸投げする場合、自社完結の開発会社よりも費用が高くなるからです。
したがって、以下の役職者の所属は確認しておくことをおすすめします。
・PM(プロジェクトマネージャー) ・開発リーダー ・プログラマー |
下請けに丸投げしている会社の場合、PMすらも下請け会社に任せていることもあります。その場合、発注元の窓口を担当している会社は開発状況を十分に把握しておらず、何かトラブルが発生していても迅速に対処できない可能性があります。
費用が高くなるだけでなく品質も低下しやすい傾向にあるため、下請けに丸投げしているような会社には依頼しないことをおすすめします。
すべての費用が明確か
見積もりが明瞭な会社を選ぶようにしましょう。開発を終えてから「運用・保守は別料金」などと言われるケースがあるからです。
もしWebアプリ開発の外注が初めての人は、見積もりをもらう際に「開発前」と「開発中」と「開発後」に発生する金額をそれぞれ説明してもらうことをおすすめします。加えて、「追加料金が発生するケース」も聞いておくと安心できるでしょう。
弊社ではノーコードによるアプリの受託開発をさせて頂いておりますが、ノーコード開発による短期納期と低コストが実現できるほか、お客さまの企画や設計段階からサポートをさせて頂いております。
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